帝国データバンクが2026年10月22日に公表した「企業の採用形態と求める人材像アンケート」によると、主な採用形態が「中途採用がメイン」の企業は81.1%、「新卒採用がメイン」は18.9%だった。調査は2026年10月9日〜14日にインターネットで実施し、1,333社が回答した。
中小企業は8割超が中途、大企業は新卒が過半
規模別に見ると、大企業は「新卒採用がメイン」が55.2%と中途(44.8%)を上回った。一方、中小企業で新卒メインは13.6%にとどまり、中途メインが8割を超えた。小規模企業では9割を超える。
求める人材像(3つまでの複数回答)は「コミュニケーション能力が高い」30.6%がトップで、「真面目、または誠実な人柄である」29.2%、「意欲的である」28.4%が続いた。「専門的なスキルを持っている」「AIやデジタル技術を活用できる」は低位にとどまった。2022年9月の同様の調査でもコミュニケーション能力がトップで、AIが普及した現在も、企業が重視するのはスキルより性格や素質だという。
回答企業の声として、機械製造業からは「学校で学んだ知識では戦力にならない。それよりも好奇心旺盛で、成長志向の強い人材の方が期待できる」との意見が紹介されている。
町工場にとっての意味
中途採用が中心になるほど、「入社後に技能を教える仕組み」があるかどうかが採用力を左右する。素質重視で採るなら、加工技術や検査の手順を見える化し、短期間で一人前に近づける教育の段取りが欠かせない。熟練者の退職が進むなかで、技能伝承を属人的なOJTに任せたままだと、品質(Q)のばらつきとして表に出やすい。
求人票でも、必要な資格や経験年数を並べるより、「未経験から育てる体制」や「チームで仕事を回す職場の雰囲気」を具体的に書く方が、企業が求める人物像と応募者の接点を作りやすいだろう。