日本銀行は2026年9月18日の金融政策決定会合で、政策金利(無担保コール翌日物レートの誘導目標)を0.25パーセント引き上げ、1.25パーセント程度とすることを決めた。政策金利1.25パーセントは1995年以来、およそ31年ぶりの高い水準である。
3カ月ぶりの追加利上げ、ペースは加速した
前回の利上げは2026年6月会合で、今回は3カ月ぶりの追加利上げとなる。日銀は2024年3月のマイナス金利解除以降、おおむね半年に1回のペースで金利を引き上げてきたが、今回はその間隔を縮めた形だ。決定は全員一致ではなく、9人の政策委員のうち2人が反対票を投じている。
利上げの理由として挙げられたのは、原油高や円安がもたらす物価の上振れリスクを抑えることである。先に公表された2026年8月の国内企業物価は前年比プラス7.6パーセントと高止まりしており、輸入物価の押し上げ要因が消えていない。金利を上げて円安に歯止めをかけ、輸入コストの上昇を抑えるという筋道になる。
町工場にとっての意味——コスト(C)が二方向から動く
中小製造業にとって、今回の決定はコスト(C)を相反する二方向から動かす。
- 借入金利は上がる。短期プライムレートに連動する変動金利の運転資金・設備資金は、利上げが波及すれば利払いが増える。たとえば借入残高5,000万円なら、金利が0.25ポイント上がるだけで年12万5,000円の増加になる。
- 仕入コストは下がる方向に働きうる。円安が是正されれば、鋼材・非鉄・樹脂・燃料といった輸入依存の材料費は下がる余地が出る。2026年8月の貿易統計で原粗油の輸入額が前年比プラス58.7パーセントだったことを踏まえれば、ここが効けば影響は小さくない。
ただし、2つの効果が出るタイミングは同じではない。借入金利は貸出約定の更新時期に比較的すぐ反映されるのに対し、為替経由の材料費低下は数カ月遅れる。順序としては「先に利払いが増え、後から材料費が下がる(かもしれない)」と見ておくのが安全だ。
いま設備投資を検討している事業者は、補助金の採択見込みだけでなく、返済計画を現行金利ではなく「もう一段上がった前提」で組み直しておきたい。次の利上げまで、これまでのような半年の猶予があるとは限らなくなった。