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事業承継・人材

2026年8月の「人手不足」倒産は32件で8月として過去最多|1-8月累計333件・「人件費高騰」が175件と2.2倍、町工場が今すぐ打てる3つの手

東京商工リサーチが2026年9月3日に公表した集計で、2026年8月の「人手不足」関連倒産が32件となり、前年同月比39.1%増、8月としては過去最多になった。1-8月の累計は333件(前年同期比38.7%増)で、年間でも過去最多を更新するペースが続いている。

増えているのは「求人難」ではなく「人件費」

1-8月累計の要因別で目立つのは、人件費高騰が175件(前年同期比121.5%増)と2.2倍になったことだ。従業員退職も81件(同17.3%増)で、いずれも過去最多となった。

人が採れずに倒れるのではなく、人を採る・引き留めるための人件費に耐えられずに倒れる。この構図がはっきり数字に出ている。8月単月の産業別では建設業が10件(前年同月比100.0%増)、サービス業他が10件(同11.1%増)で並んで最多だった。

規模も偏っている。8月の32件のうち資本金1,000万円未満が22件(構成比68.7%)を占め、31件が破産だった。再建型ではなく清算に至っている小規模事業者が大半である。

7月の「63件」との違い

当サイトでは7月分として「人手不足倒産が過去最多の63件」という数字を紹介した。今回の32件と大きく違って見えるが、これは調査機関ごとに集計の定義と対象が異なるためで、どちらかが誤りというわけではない。前月比として直接引き算はできない。傾向、つまり「増え続けている」「原因の主役が人件費に移っている」という方向が両者で一致している点を見ればいい。

町工場にとっての意味

コスト(C)の観点で言えば、人件費は今や「据え置ける費目」ではなくなった。最低賃金は10月1日から順次発効し、多くの県で過去最大級の引き上げになる。人件費高騰による倒産が2.2倍という数字は、賃上げを見送った企業が生き残ったという話ではなく、賃上げ分を売価に乗せられなかった企業が退場したという話である。

やるべきことは三つに整理できる。第一に、10月以降の人件費増を今の見積書に織り込んで単価を出し直すこと。第二に、そのとき「賃上げ分」という項目を隠さず、加工賃の内訳として提示すること。相手も同じ統計を見ているので、根拠のある値上げは通りやすい。第三に、退職による欠員が納期(D)に直撃する工程を洗い出し、一人しか回せない設備・工程を先に潰しておくこと。倒産の要因として従業員退職が過去最多だという事実は、技能の属人化がそのまま経営リスクだということを意味している。

出典

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