2026年度の最低賃金の引き上げ額を左右する国の審議(中央最低賃金審議会の小委員会)が、7月下旬に大詰めを迎えている。労働者側は現行の全国加重平均1,121円を75円引き上げるよう要求したが、経営者側との隔たりは大きく、結論は持ち越された。次回の小委員会は7月27日に開かれる予定だ。
事実——労働側は過去最大を上回る「+75円」
7月23日に開かれた4回目の小委員会で、労働者側は全国平均で時給を75円引き上げる目安を求めた。これは前年度の目安である+63円(過去最大)を上回る水準である。前年度は改定の結果、全国加重平均が1,121円(前年比+66円・6.3%増)まで上がり、過去最大の引き上げとなっていた。今年度も高い水準の議論が続いている。
審議会が示す「目安」はあくまで全国の目安であり、これを受けて8月に各都道府県の審議会が地域別の金額を決め、10月前後から順次発効する流れとなる。
背景——人手不足と物価高が押し上げる
近年の大幅な引き上げの背景には、慢性的な人手不足と物価高がある。働き手を確保するために賃金を上げざるを得ない一方、原材料やエネルギーの価格も高止まりしており、賃上げの原資をどう確保するかが中小企業の共通課題になっている。
町工場にとっての意味——人件費(C)と価格転嫁
最低賃金は、パートやアルバイトだけでなく、賃金体系全体の底上げにつながる。引き上げがそのまま人件費(C=コスト)の上昇に直結する町工場は少なくない。人を確保するための賃上げは避けられない流れだが、その分をきちんと売価へ転嫁できるかどうかが経営の分かれ目になる。目安が固まったら、自社の適用日(例年10月前後)と改定額を早めに確認し、単価交渉の準備を進めておきたい。