財務省が7月22日に公表した2026年6月の貿易統計(速報)によると、輸出額は前年同月比19.3%増の10兆9,290億円と好調が続いた一方、輸入も25.4%増と伸び、貿易収支は4,069億円の赤字となった。赤字は2カ月連続である。(先に本サイトで速報した「6月上中旬分」に続く、6月全体の確定的な数字の続報)
事実——輸出は10カ月連続増、それでも赤字
輸出は10兆9,290億円(前年比19.3%増)で10カ月連続の増加、輸入は11兆3,359億円(同25.4%増)で5カ月連続の増加だった。輸出の伸びを輸入の伸びが上回った結果、差引き4,069億円の赤字となった。上半期(1〜6月)で見ると輸出は前年同期比13.7%増で、半導体関連がけん引した。
品目別の輸出の伸びは、自動車が23.0%増、半導体等電子部品が53.8%増、非鉄金属が47.8%増と、いずれも大きく伸びた。一方で輸入も半導体等電子部品が49.2%増、非鉄金属が74.4%増と膨らんでいる。
背景——輸出の追い風と、仕入れの逆風が同時に
半導体関連の世界的な需要拡大は、装置・部品を扱う製造業にとって輸出の追い風になっている。ただし同じ品目は輸入額も大きく増えており、部材を海外から調達する事業者にとっては仕入れコストの上昇要因でもある。輸出と輸入、両面で数字が膨らんでいるのが今回の特徴だ。
町工場にとっての意味——仕入コスト(C)を輸入高が圧迫
輸出好調は完成品・装置メーカーには恩恵だが、その裏で輸入額が25.4%増と大きく伸びている点は、部材や金属素材を仕入れる町工場のコスト(C)に重くのしかかる。非鉄金属の輸入が74.4%増という数字は、銅・アルミなどを使う現場の材料費に直結する。輸出の追い風を取りにいくと同時に、仕入れ値の上昇分を売価へ反映する価格転嫁を、これまで以上に丁寧に進める必要がある。