下請法は2026年1月に「取適法」へ
従来の下請法(下請代金支払遅延等防止法)は、2026年1月1日に「中小受託取引適正化法(取適法)」へと改称・改正され、施行された。発注側と受注側の力関係の差から生じる不利な取引をなくし、賃上げの原資となる価格転嫁を取引慣行として定着させることが狙いである。施行から半年が経ち、9月には毎年恒例の「価格交渉促進月間」が控える。
主な改正点
- 受注者の資金繰りを圧迫する手形払い等の禁止
- 価格転嫁に向けた協議に応じず、一方的に代金を決めることの禁止
- 複数省庁が連携して違反に対応する「面的執行」の強化と、事業所管大臣への指導・助言権限の付与
国は毎年3月と9月を「価格交渉促進月間」と位置づけ、交渉と転嫁が定期的に行われる商慣行の定着を目指している。
町工場にとっての意味:コスト(C)
原材料やエネルギーの値上がりが続くなかで、値上げ交渉を「言い出しにくい」ことが中小製造業の利益を削ってきた。取適法は、価格転嫁の協議に応じない一方的な代金決定を明確に禁じており、交渉のテーブルに着かせる法的な後ろ盾になる。9月の促進月間は、原価の内訳を整理し、上昇したコスト(C)を根拠を添えて示す好機だ。制度を「知っている」だけでなく「使う」ことが、価格を守る第一歩になる。取引先との協議記録を残しておくことも、いざというときの備えになる。