9月は2,232億円、15カ月連続のプラス
日本工作機械工業会が10月9日に発表した2026年9月の工作機械受注額(速報)は2,232億円で、前年同月比60.4%増だった。前年比プラスは15カ月連続。第一生命経済研究所によれば9月としては過去最高で、2桁増は13カ月続いている。内訳は内需639億円(前年同月比46.5%増)、外需1,593億円(同66.8%増)で、外需が全体の約71%を占める。1〜9月累計は1兆6,693億円、前年同期比43.3%増となった。
背景:AI・半導体投資が米中の受注を押し上げ
8月分の国別受注では中国474億円(前年同月比61.7%増)、米国446億円(同85.2%増)、インド97億円(同95.0%増)と主要市場がそろって大幅増だった。第一生命経済研究所は「AI・半導体需要に裏打ちされた米国と中国からの受注に加速感がみられる」と分析する。一方、国内向けは同社の季節調整値で前月比5.0%減。投資意欲は強いが、人手不足と建設コスト増で実行が遅れているという。日本経済新聞は、工作機械メーカーの受注残が8月末で1兆円を超えたと報じている。
町工場にとっての意味:好況は「上流」で起きている
受注残1兆円超は、工作機械メーカーの工場がフル稼働に近いことを意味する。そこへ部品を納める町工場には短納期の引き合いが増える局面で、納期(D)を守り切れるかが次の取引を左右する。逆に自社が機械を買う側に回ると、発注から納入までの待ち時間も長い。来年の省力化を設備で解決するなら、補助金の採択を待たず納期の見積もりを今のうちに取っておきたい。コスト(C)面では、外需頼みの好況は為替が反転すれば急速にしぼむ。累計43%増という数字を自社の受注計画にそのまま乗せないことが肝心だ。