9月の国内企業物価は前年比+6.8%、前月比は0.3%下落
日本銀行が10月13日に公表した2026年9月の企業物価指数(速報)によると、国内企業物価指数は135.7(2020年平均=100)で前年同月比6.8%の上昇だった。8月の7.6%から伸びは縮小し、前月比では0.3%の下落で2カ月連続のマイナス。前月比で押し下げたのは農林水産物(寄与度マイナス0.42ポイント)と石油・石炭製品(同マイナス0.15ポイント)で、品目では玄米・精米・豚肉、B重油・C重油・軽油が挙がる。農林水産物は前年同月比でも13.3%下落した。
背景:下がったのはコメと燃料、素材は高止まり
前年同月比を類別に見ると、下落は農林水産物だけで工業製品はほぼ全てプラスだ。非鉄金属は40.2%上昇(指数261.1)、化学製品13.3%、プラスチック製品12.8%、石油・石炭製品11.5%、電力・都市ガス・水道10.5%の上昇。鉄鋼3.2%、金属製品5.1%と伸びは緩やかだが、前月比ではそれぞれ0.3%、0.7%と上昇が続く。輸入物価は円ベースで前年同月比24.5%上昇し、前月比でも液化天然ガスやナフサ、銅鉱が押し上げた。
町工場にとっての意味:「鈍化」と自社のコスト(C)は別物
「上昇率が鈍化」の見出しだけ見ればコスト高が峠を越えたように読めるが、下がったのはコメと重油であって、町工場が仕入れる銅・アルミ・樹脂・鋼材は上がり続けている。非鉄金属の前年比40%増は、銅を使う部品加工の原価構造を変える水準だ。価格転嫁の交渉では総平均の6.8%ではなく、自社の主材料に対応する類別の数字を使いたい。日銀は類別ごとの前年比を毎月公表しており、「非鉄金属40.2%、化学製品13.3%」と根拠を示せば発注元も反論しにくい。品質(Q)を落とさずにコストを吸収する余地は、もう残っていないと考えた方がよい。