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鋼材価格、東京製鉄が今年3度目の値上げ|7月契約でH形鋼・厚板トン3,000円高、町工場のコスト(C)に迫る原燃料高

鋼材価格の上昇が止まりません。電炉最大手の東京製鉄は2026年6月15日、7月契約分の鋼材価格を全面的に引き上げると発表しました。今年に入って3度目の値上げで、H形鋼・厚板など7品種をトンあたり3,000円、ホットコイル・熱延鋼板など8品種を同2,000円引き上げます。中東情勢の長期化を背景にした原燃料高が主因で、町工場にとっては材料調達コスト(QCDの「C」)に直結する動きです。本記事は編集部が一次情報をもとに要点を整理したものです。

要点

項目内容
発表主体東京製鐵株式会社(電炉最大手)
発表日2026年6月15日
対象2026年7月契約分の鋼材価格
値上げ幅①H形鋼・I形鋼・溝形鋼・U形鋼矢板・異形棒鋼・厚板など:トンあたり3,000円引き上げ
値上げ幅②ホットコイル・酸洗コイル・亜鉛めっきコイル・熱延鋼板・角形鋼管など:トンあたり2,000円引き上げ
今年の値上げ回数2026年に入って3度目
主な理由中東情勢の長期化に伴うエネルギー・原材料コストの上昇。製造コストの上昇が「構造的」でメーカー単独では吸収できないと判断
市況の背景鋼板の国内流通価格が2年ぶりに上昇(熱延の指標品種で前月比約3%高)。日本製鉄もステンレス鋼板を6月契約分で2カ月連続値上げ

何が起きたのか

東京製鉄が発表した2026年7月販売価格表(6月15日付)によると、値上げは大きく2つの幅に分かれます。

  • トン3,000円高:H形鋼、I形鋼、溝形鋼、U形鋼矢板、異形棒鋼、厚板など建設・構造材を中心とした品種。
  • トン2,000円高:ホットコイル、酸洗コイル、亜鉛めっきコイル、熱延鋼板、角形鋼管など板・加工材を中心とした品種。

東京製鉄は値上げの理由として、中東情勢の長期化によりエネルギーや各種原材料の価格上昇が続いていること、製造コストが上昇基調にあり、世界の鉄鋼メーカーも段階的に値上げを進めていることを挙げています。そのうえで、コスト増が「構造的」でメーカーだけで吸収できる水準ではないとして、価格改定に踏み切ったとしています。

流通市況も2年ぶりに上昇

メーカーの値上げは、流通段階の取引価格にも波及し始めています。報道によると、鋼板の国内流通価格は2年ぶりに上昇に転じ、熱延の指標品種は前月比で約3%高となりました。東京地区における熱延鋼板(1.6ミリ厚)の流通取引価格は1トンあたり10万3,000〜10万8,000円程度とされ、メーカーの春以降の値上げが流通段階にも一部浸透しています。

高炉系でも、日本製鉄がステンレス冷延薄鋼板などの一般流通(店売り)向け価格を6月契約分で引き上げ、値上げは2カ月連続となりました。原燃料高に加え、中東情勢を起点としたコスト増懸念が強く、サプライチェーン全体で価格転嫁の動きが続いています。

ものづくり企業にとっての意味(QCDへの影響)

今回の値上げは、ものづくり経営者のQCDのうちC(コスト)に最も強く効きます。鋼材は金属加工・板金・機械部品など幅広い製造業の基礎材料であり、トン単位での値上げは原価を押し上げます。実務面では次のような論点が考えられます。

  • 原価管理(C):使用鋼種・年間使用量から、今回の値上げが製品原価に与える影響額を早めに試算しておく。複数品種を使う場合、3,000円高と2,000円高で影響度が異なる点に注意。
  • 価格転嫁(C):「構造的なコスト増」という発表は、取引先への価格交渉の客観的な根拠材料になり得る。値上げの事実・幅・理由を整理し、転嫁の説明資料として活用する。
  • 調達タイミングと納期(D):さらなる値上げ観測がある局面では、発注タイミングや在庫水準の見直しが調達コストと納期の両方に影響する。仕入先と価格改定スケジュールを共有しておく。
  • 設計・歩留まり(C・Q):材料高が続く局面では、歩留まり改善や材料置換、ネスティング(材料取り)の最適化など、使用量そのものを減らす工夫の優先度が上がる。

原材料価格は経営努力でコントロールしにくい「外部要因」です。だからこそ、価格動向を早期に把握し、原価試算と価格転嫁の準備を前倒しすることが、利益率を守るうえで重要になります。

よくある質問(FAQ)

Q. 東京製鉄の7月契約分の値上げ幅はいくらですか?

A. H形鋼・I形鋼・溝形鋼・U形鋼矢板・異形棒鋼・厚板などがトンあたり3,000円、ホットコイル・酸洗コイル・亜鉛めっきコイル・熱延鋼板・角形鋼管などがトンあたり2,000円の引き上げです(2026年6月15日発表、7月契約分)。

Q. なぜ値上げするのですか?

A. 東京製鉄は、中東情勢の長期化に伴うエネルギー・原材料コストの上昇が続き、製造コストの上昇が構造的でメーカー単独では吸収できないことを理由として挙げています。今年に入って3度目の値上げです。

Q. 鋼材の流通価格も上がっているのですか?

A. はい。報道によると、鋼板の国内流通価格は2年ぶりに上昇し、熱延の指標品種は前月比約3%高となりました。メーカーの値上げが流通段階にも浸透しつつあります。最新・正確な相場は専門の市況情報や仕入先にご確認ください。

出典

※本記事は「ものづくりのココロ」編集部が公開情報をもとに要約・整理したものです。値上げ幅・対象品種・適用時期などの最新かつ正確な情報は、必ず上記の一次情報(メーカー公式発表)および仕入先にてご確認ください。鋼材相場は短期間で変動します。

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