2026年8月27日、石川県と富山県で記録的な大雨となり、石川県の羽咋市・志賀町・宝達志水町・中能登町、富山県の氷見市に大雨特別警報(警戒レベル5相当)が発表された。災害救助法は石川県の4市町(羽咋市・志賀町・宝達志水町・中能登町)と富山県の4市(高岡市・氷見市・小矢部市・射水市)、計8市町に適用された。
中小機構が8月28日に相談窓口を設置
中小企業基盤整備機構は8月28日、被災中小企業・小規模事業者対策を公表した。北陸本部企業支援課(石川県金沢市広岡3-1-1 金沢パークビル10階、電話076-223-5546)に特別相談窓口を設置し、オンライン経営相談「E-SODAN」も利用できる。小規模企業共済の契約者には災害時貸付が適用される(共済相談室 050-5541-7171)。石川県商工会連合会と県内の商工会も、それぞれ特別相談窓口を開設している。
ウェザーニュースの速報分析によれば、5市町(羽咋市・氷見市・宝達志水町・志賀町・中能登町)の社会・経済的影響は約9.5億円〜38.7億円と試算されている。内訳は羽咋市が約4.17〜13.59億円、氷見市が約3.23〜15.55億円など。この試算には農業や物流への影響が含まれておらず、実際の被害額はさらに大きくなる可能性がある。
「自社は無事」でも止まった
報道によれば、8月27日にEIZOの子会社EIZOエムエス(羽咋市)が工場の操業を停止した。理由は被害ではなく、道路の冠水で従業員が出勤できなかったことである(28日に再開)。参天製薬の能登工場(宝達志水町)も緊急安全確保の発令を受けて従業員を自宅待機とし、被害は確認されなかった。一方、翌28日時点では、タカギセイコー氷見工場と三協立山の福岡西工場氷見分工場が浸水被害により操業停止を続けていた。物流ではトナミ運輸が石川・富山の一部で輸配送に遅延、佐川急便とヤマト運輸が羽咋市など複数市町で集荷・配達を停止している。
町工場にとっての意味
納期(D)の観点で押さえるべきは、工場が無傷でも納期は崩れるという事実である。今回止まった要因は「浸水」だけでなく「従業員が来られない」「運送会社が動かない」の3系統に分かれた。自社のBCPが浸水対策だけで組まれているなら、片手落ちである。
具体的には、(1)主要な仕入先・外注先の所在地を市町村単位で一覧にしておく、(2)特別警報が出た地域と自社の取引先を機械的に突き合わせられる状態にしておく、(3)相談窓口の連絡先は被災してから探すのではなく平時に控えておく——この3つは費用をかけずに今日できる。とくに(1)は、能登・北陸に樹脂成形や表面処理を外注している関東・中部の工場にとって、そのまま自社の納期リスクの地図になる。