中小企業基盤整備機構が運営する「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」第1回公募のスケジュールが変更されている。公式サイトの公募スケジュール欄では、申請受付が「令和8年8月31日(月)」に取り消し線が引かれて「令和8年9月30日(水)」に、応募締切が「令和8年9月30日(水)18:00厳守」から「令和8年10月30日(金)18:00厳守」に改められた。トップページにも「応募期間は令和8年9月30日(水)〜10月30日(金)18:00(厳守)」と掲示されている。公募開始日は令和8年6月29日である。
つまり、当初は本日8月31日から申請を受け付ける予定だったが、受付開始そのものが1カ月後ろにずれた。「今日から入力できる」と思って準備していた事業者は、日程を引き直す必要がある。
3つの枠と補助上限
- 革新的新製品・サービス枠:補助率は中小企業者1/2(一定条件で2/3)、小規模企業・小規模事業者・再生事業者2/3。補助上限は最大2,500万円(賃上げ特例適用時は最大3,500万円)、下限100万円。従業員数で刻まれ、1〜5人は750万円(特例850万円)、6〜20人は1,000万円(同1,250万円)、21〜50人は1,500万円(同2,500万円)、51人以上は2,500万円(同3,500万円)。
- 新事業進出枠:補助率は中小企業者1/2(一定条件で2/3)。上限は最大7,000万円(特例9,000万円)、下限750万円。
- グローバル枠:補助率2/3。上限は最大7,000万円(特例9,000万円)。
いずれの枠も、補助事業終了後3〜5年の事業計画で「付加価値の年平均成長率+4.0%以上」「1人あたり給与支給総額の年平均成長率+3.5%以上」「事業場内最低賃金が地域別最低賃金より+30円以上高い水準」をすべて満たす必要があり、未達の場合は補助金の一部または全額の返還義務が生じることがある。なお公式サイトは、本補助金が「中小企業新事業進出補助金」および「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」とは異なる補助金である旨を明記している。名称が似た制度が並走しているので、要領を取り違えないよう注意したい。
町工場にとっての意味
1カ月の後ろ倒しは「猶予」ではなく「同じ土俵に立つ他社も1カ月準備できる」ということである。使い道は3つに絞りたい。第一に、GビズIDプライムの取得(郵送を挟むと2〜3週間かかることがある)。第二に、設備の見積の取り直し。円安と鋼材高で夏前の見積は既に古い。第三に、賃上げ計画の数字合わせだ。この補助金は成果目標が「付加価値+4.0%」だけでなく「給与総額+3.5%」「事業場内最低賃金+30円」とセットで縛られる。10月に地域別最低賃金が上がる年に、その+30円をどこに置くかは、コスト(C)の設計そのものになる。設備を買う話ではなく、人件費を含めた5年間の損益を先に描く話だと考えたほうがよい。
出典
- 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金|中小企業基盤整備機構(公募スケジュール・各枠の補助率/上限、2026年8月31日閲覧)
- 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の第1回公募要領を公開しました|中小企業庁