2026年度(令和8年度)の地域別最低賃金は、8月30日時点で43都道府県の答申が出そろった。未答申は岩手・佐賀・熊本・沖縄の4県で、この4県は令和7年度の額が引き続き適用されている。本サイトでは8月中旬時点(25都道府県)で一度取り上げたが、その後2週間で状況が大きく進んだため続報としてまとめる。
目安を上回る答申が相次ぐ
中央最低賃金審議会が7月28日に示した目安は、全国加重平均1,176円(前年1,121円から+55円・4.9%)、Aランク+54円、B・Cランク+56円だった。実際の答申はこの目安を上回った県が多い。
- 答申額が最も高いのは東京都の1,280円(+54円)。次いで神奈川1,279円(+54円)、大阪1,231円(+54円)、埼玉1,196円(+55円)、千葉・愛知1,195円(+55円)。
- 引き上げ額が最も大きいのは鹿児島県の+64円(1,026円→1,090円)。高知+63円、茨城・宮崎+62円、青森・福島・大分・山梨+61円、山形・愛媛・宮城・鳥取+60円と続く。
- 答申額が最も低いのは宮崎県の1,085円。
- 京都は+58円で1,180円。福岡は+57円で1,114円となり、県内で初めて1,100円台に到達した。
今年の要注意点は「発効日のばらつき」
発効予定日は10月1日から11月16日まで分散している。10月1日発効は北海道・宮城・栃木・埼玉・千葉・東京・神奈川・新潟・富山・岐阜・愛知・三重・大阪・兵庫・香川など。一方で山梨・徳島・愛媛・大分は11月1日、長崎は11月2日、そして京都は11月16日と、1カ月半以上の開きがある。なお答申額は改正決定・官報公示の前段階であり、この時点ではまだ適用額ではない。
町工場にとっての意味
コスト(C)の観点で今年効いてくるのは、金額そのものより発効日の管理である。本社と工場、あるいは第二工場が県をまたいでいる場合、同じ会社の中で賃金改定日が2つ3つに割れる。10月1日で全社一律に上げるのか、県ごとに刻むのかは、給与計算の手間だけでなく社内の納得感にも直結する。早めに決めて掲示しておきたい。
もう一点。「事業場内最低賃金を地域別最低賃金より+30円以上高く」という条件は、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金をはじめ各種補助金の成果目標に組み込まれている。補助金の申請を考えているなら、自県の答申額に+30円した数字を先に置いてから、設備投資の回収計画を組む順序になる。答申が出た今の時点で見積と価格表に織り込むのが、10月の駆け込みより安全である。
出典
- 2026年度 都道府県別最低賃金一覧|答申状況を随時更新(寺田税理士事務所/社労士法人フォーグッド、2026年8月30日更新) ※各都道府県労働局のプレスリリースを集約した一覧
- 地域別最低賃金の全国一覧|厚生労働省